ビューティフル・ネーム

私の名前は片桐流水といいますが、若い頃は藤原馨風(けいふう)といいました。

一生懸命字を習って師範を取り、看板をもらって教室を開ける雅号をもらいました。
数年して結婚を機に苗字が片桐になったことで、藤原馨風という名前は忘れ去られることになりました。

何年か後、ある書道塾の門をたたきました。そこで師匠から流水という名前をいただきました。師匠は「そのままのあなたでいい」という意味を込めてつけてくれたくれたそうです。ものすごく嬉しかったのを覚えています。「行雲流水」という言葉にあるように、行く雲や流れる水のように自然にありのままに、自分らしく生きて行くことと理解しています。

そんな嬉しかったことを思い出しつつ、流水書道会の仲間にも字を書く時の名前を、と考えています。流れる水の上をスイスイと進む「舟」という字や、師匠の随風、私の馨風から取った「風」という字などを織り交ぜてその方らしい名前を。

名前には暮らしを形づくる不思議な力があると思います。
流水書道会の仲間たちも、その名前のあらわすとおりに毎日の暮らしを楽しんでもらえたら嬉しいです。

流水